2014/06/06

シンプルメン / ハル・ハートリー

                                                  シンプルメン [DVD]

【作品データ】
題名:シンプルメン
原題:simplemen
公開:1992年アメリカ
監督:ハル・ハートリー
制作:テッド・ホープ/ハル・ハートリー
脚本:ハル・ハートリー
出演:ロバート・ジョン・バーク/ビル・セイジ/エリナ・レーヴェンソン/マーティン・ドノヴァン

つまらないといえば、断然つまらないような気さえするのに、何が魅力かときかれれば、黙っているしかない
それでも何で、わざわざ見に行くのかと問いつめられれば、それを考えているのだから暇なら見てくればいいだろう?という感じである。
どう考えても、面白いというにはいささか抵抗を抱える
同じアメリカのインディペンデントであるカサヴェテスほどの、メロドラマのなかのクールさでいえば役不足であるし、メロドラマといえばそうなのだが、ダンス・シーンの挿入の唐突さはまるで不器用なほど、というか、まさかこれだけを撮りたかったのかと疑ってしまう
「汚れた血」のジュリエット・ビノシュほどの強烈な魅力を放つエリナ・レーヴェンソンには、誰だって抗えないほど惹き付けられるだろうが、本当にそれだけなのだろうか。

2014/06/04

アンビリーバブル・トゥルース / ハル・ハートリー

アンビリーバブル・トゥルース [DVD]


【作品データ】
題名:アンビリーバブル・トゥルース
原題:The Unbelievable Truth
公開:1989年アメリカ
監督:ハル・ハートリー
制作:ブルース・ウェイス/ハル・ハートリー
脚本:ハル・ハートリー
エイドリアン・シェリー/ ロバート・バーク

久々のアメリカ映画は魅力的なエイドリアン・シェリーで魅了された。
映画といえば、その監督がすべてであり、キャストの中にいくら大物がいるにしろ、監督がどうも気に入らないと見る気にもなれない。
だから、知らない監督の映画を見るのは、まったく未知の世界でハル・ハートリーなんてどんなものかと、四作上映するうちの一作をとりあえず、見にいってみたのだ。
40年代ハリウッドでもなければ、カサヴェテスでもない、アメリカ映画である。単純明快すぎる物語調に、飽きもせずスクリーンを凝視し続ける理由が不明瞭にしろ、アメリカ映画も悪くないと思った。DVD発売記念公開での上映。





2014/06/02

神の裁きと訣別するため/ アントナン・アルトー


【作品データ】
題名:神の裁きと訣別するため
文献: 河出文庫
作者:アントナン・アルトー(1896-1948)
分類:フランス文学
発刊:2006年オリジナルは不明

アントナン・アルトーが誰か、という確信的な問いかけを投げかけられ易いのは、その酔いしれるようなエクリチュールよりも、カール・ドライヤーの世にも美しい映画「裁かるるジャンヌ」(1927年)での神父の顔を知っているからだろう。神々しいほどの詩的さをもって、人間の生なるものおよび器官に浸透する、それらに革命を起こそうとしているかのごとく、攻撃的に追求することの甘美さを感じることができるのだ。

神の裁きと訣別するため (河出文庫 (ア5-1))

2014/06/01

アルゴールの城にて/ ジュリアン・グラッグ


 【作品データ】
題名:アルゴールの城にて
文献: 岩波文庫
作者:ジュリアン・グラッグ(1910-2007)
分類:フランス文学
発刊:2014 年オリジナルは1938年

1938年をサルトルの「嘔吐」が発刊された年として説明されることの意味は様々な要素を含んでいる。「嘔吐」ほどの脚光を浴びなかったことを、ぜひ理解する必要がありそうだ。サルトルの「嘔吐」はすでにご存知のとおり、実存主義者として書かれた素晴らしい書物であり、それが人々を魅了し続けている。その魅力とはまったく異次元の世界に「アルゴールの城にて」があるのだ。実存主義文学全盛期に、ジュリアン・グラッグは平然と「アルゴールの城にて」—まるで非現実世界を目前で提示し繰り広げ、静かにその装置—それは廃墟であり、城館、ゴシック調の家具であり、幻想的な木々の木洩れ陽ーは在り続ける。あくまでもそれらを描写する、書く、書き付けることの猛々しい魅力はいくら説明しても足りない。

アルゴールの城にて (岩波文庫)